由緒正しき別荘地

文化人たちが好み住んだ北鎌倉。
美食家の北小路魯山人や彫刻家、野口イサムそして、この物件の近くには、日本画家伊東深水の住居兼アトリエも。円覚寺、東慶寺といった禅寺がこの土地特有の谷戸地形をなぞるように佇み、それぞれの寺の奥へ進むと尾根部分で、古道としてつながる。肌寒い早朝、古刹を巡る時、時が止まっていることを感じる。
鎌倉の中でも、長谷や材木座といった海に近い場所といった開放的な空気感は少しも感じることができない。緑モリモリを通り過ぎて、神秘のベールに包まれた場所。北鎌倉駅に近い、山ノ内界隈は、山間のごく一部開けた場所。200坪を超える土地に、ゆったりと構えたお屋敷町は荘厳そのもの。取引額も億を超えることが稀でない。
今回の土地も、一つのお屋敷が4の宅地と道路に変わったもの。周辺環境は少しづつ変わるものの、ゆったりとした区画と道路で、その景観は、徐々に変化していくことでしょう。この場所にふさわしい品のある建物を建ててもらいたいものです。形、素材、色使い、奇をてらったものでなく、時間の経過と共に、美しく変化する日本建築の特徴を取り入れたもの。
「街の価値は、自分たちでつくる。」
皆がそう思うようになれば、景観に考慮した建物が連なり、新旧の更新が緩やかに行わるのだと思います。私たちにもそのお手伝いができます。
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