今回の建物はあのイームズハウスをモデルとして設計された。チャールズ&レイ・イームズがデザインした建築は、1950年代以降のアメリカ西海岸で一世を風靡し、その後の住宅建築に大きな影響を与え、今でも多くのファンを持つ伝説的な建物。イームズはインテリアのデザインにも注力し、現代家具デザインの基礎を作ったとも言われる。
建物はボックス型の構造と広いガラス開口部に高い天井が特徴。イームズハウスは鉄骨造りだが、今回の建物は木造。通常の木造住宅の倍近くの木材を使用し、無垢材の筋交い・合わせ柱でしっかりした強度を持つよう設計されている。
高台に位置するため風通しがとても良く、無垢材の調湿作用で湿度も快適に保たれるエコ住宅的な要素もある。
広いガラス開口は立地の良さを最大限に活かすものでもある。御用邸越しの相模湾を遠望し、葉山らしい山並みと緑も望む高台は葉山の中でも滅多に見つからない。
2階の部屋からは水平線たっぷりの相模湾を望み、特に冬は伊豆半島に沈んでいく夕陽が最高に映える。
1階のダイニング・キッチン、ガラスの大開口でつながるウッドデッキ、緑の眺望は、内外の垣根を感じさせず、全てがつながっているかのように感じさせる。
一方で内部空間はとても開放的で効率的な利用がなされている。
断熱は外断熱。高い天井がなんとも気持ちよく、上部に配置された窓が光を取り込み室内は明るい。間仕切り壁がほとんどなく、すべての空間がつながっていて、家族の気配をいつもどこかで感じられる安心感がある。
収納スペースも要注目。壁は無駄なく収納となっており、階段下もキッチン・リビングの収納として利用されている。コンパクトなキッチンは導線が完璧で、階段下に配置された冷蔵庫、壁面の収納、コンロ、シンクと全てが近い範囲に納まり、緑の景色を正面に料理ができる。
床面積としては小さめの住宅ながらも、無駄な家具は不要、オープンで効率的な作りはより広さを感じさせる。家をぐるっと囲むウッドデッキにはサーフボードやBBQセット、外遊び道具を置くスペースも十分。
葉山と抜群の相性のこの家。“葉山らしさ”を存分に楽しめる家に住みたい!とお考えの方にぜひおすすめしたい。
[広&G]
