Less but better. 美しい庭と住処
本当は内緒にしておきたい。
そう思わせるほどポテンシャルに満ちた物件だった。
8年前、はじめて現地を見た時のことを鮮明に覚えている。
ジブリの映画に出てきそうな小径の先に待っていた広い敷地。
そこには、このまま朽ちていけば自然に還ってしまいそうな、
古いけど趣が可愛い平屋がぽつんとあり
大きく庭を残したその余白がなんとも気持ちが良かった。
粋というか、通というか。余白とは、何もないのではなく、
物語が生まれる場だと思ったから。
ここがリノベーションされたら、どんなに素敵になるだろう。人生1回目の人間には太刀打ちできないマグナムワンダーな物件だけど。トップクラスの創造性がないと絶対、無理。再生できる人はいないかもしれない。そう思っていた矢先、物件を一目見るなり、子どものように目をきらきらとさせて、惚れ込んでくれたのが今のオーナーさんだった。
その後、オーナーは、2年という月日をかけて家屋を改修し、庭も試行錯誤しながら自身で手入れをしている。
リノベーション後について、あれやこれやと私が説明するのは無粋。
世界観や空気感は写真をご覧あれ。
「家でいちばん好きな場所はどこですか?」と聞いてみた。
「リビング。仕事、食事、音楽を聴く、本を読む、お茶を飲む。リビングでいろんなことをやる。パッと目線をあげると、この庭。人工物が一切ない。鳥もよく来る。そうゆうのを見ているのがいいんだよね。都内から仕事をして帰ってくると、めちゃくちゃOFFのスイッチがはいりやすい。友人を呼んで食事するのも最高だよ」
本当に庭が美しい。野趣感の中に感じる繊細さ。グラデーション。
ネイティブプランツの造形の個性も面白い。
「雨の日も良さそうですね」と私が言うと、
「そうそう!緑が濃くなって、雨の日もいいんだよね。雨が降ると家に居ていい感じになる。晴れてると外に出なきゃいけなくなる感覚になるよね。雨だと家にいることが肯定される。笑」
雨の日の良さ。大人になってわかった感覚。リビングの居心地が良すぎて、ついつい話にも花が咲いてしまう。
徹底した引き算の美学を極めれば、この家のようになるんだろう。
濃密、すべてに隙がない。だけど、無機質ではなくて、愛を感じる。
無限の可能性を秘めたこの家を、
とことん楽しんで頂ける方にぜひバトンを受け継ぎたいのです。
物件の詳細・内見のご希望はお気軽にお問合せください。
待ってます。
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