REBORN -ある住まいの再生物語-
家はシンプルに白い箱。イームズのケーススタデイハウスのような黒い窓枠をアクセントにしたデザイン。バルコニーに植物をおけば家の中に森が浮いているように見える?黒い壁に写真を飾ればギャラリー?一般的な家の尺度では無駄ととらえられてしまう空間もありますが、その余白が住み手の創造力を駆り立ててくれます。
いつか自分の好きな写真を飾れる家がほしい。「葉山に引越して6年、その「いつか」をずっと考えていました。」と語ってくれたのは現オーナー。東日本大震災をきっかけにそのいつかをそのままいつかにしてはいけないと思っている時に出会ったのがこの土地でした。
御用邸へ向かう134号線から緩やかな坂道をあがった先に広がる旧家の跡地。その南側の一角にあるこの土地はもともとお屋敷の庭があった場所で、前面道路がそのまま遊歩道へつながることもあって緑が豊か。大きな夏みかんの木がたくさん植えられていたそうです。無機質な分譲地とは違う土地の「きらめき」と「未来への予感」を感じたともお話しされていました。
しかし、住み始めてから1年ももたないうちに雨漏りが発覚。徹底的な調査を進めると、屋根周りやサッシ周りに施工不良が見つかり、想定以上の被害があることがわかりました。その後、施工店とは無事和解に至りましたが、補修に着工する前にオーナーの海外赴任が決まり、悩んだ末に売却することを選択されました。
売却の依頼を受けたエンジョイワークスでは、立地がよいだけに更地にして建て替え用地とする案もありましたが、まずは建物を活用できる方向を考えることにし、信頼できる施工会社と補修計画を作成しました。もと旧家の庭であった開放的な土地の特性を活かした建物構成や、住まう方の妄想を掻き立てる余白のある空間のコンセプトは、施工不良の改善は必要であるものの、次の方にぜひ引き継いでもらいたい、価値あるものと考えています。改修費用は約XXX万円。物件価格のXXXX万円にプラスで考えて下さい。ですので、総額XXX万円で外装から内装まで再生される、REBORN 住宅 。
次に住まう方が、どのような妄想をするかは、これからの物語。リビングの窓の向こうに見える山の稜線上を、月が動いていく様子を見る時、海だけでなく山がある葉山の美しさを感じることでしょう。
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