鎌倉湖に佇む、ジャパニーズ・ペントハウス

「鎌倉湖」とよばれる散在ヶ池公園を眼下に見下ろす。
日本の美意識を感じる数寄屋建築のようだけど、
ロンドンのペントハウスにも見える。
どこか懐かしさがあるけど、今風に洗練されている。
この場所でしか実現できない、住い手と作り手の思いのこもった建築。
構造は鉄筋コンクリート造で安心、内部は白木の木目が美しく、
障子に映るやわらかな光の陰影が心地よい。
基本的なディティールは残し、リノベーションで蘇らせたくなる空間。
1階の柱のない開放的なLDはRC造ならでは、視界が外まで抜ける。
カーペットを剥がして、下地の荒っぽさをだしてもいいし、素材感のあるグレイッシュなタイルを敷き直してもいい。障子のほのかな光には鮮やかな民族柄のファブリック。旅行先で手に入れた一点ものの家具と合わせてゆったりと。
2階のバルコニーに増築されたペントハウス風サンルームは、
思い切って撤去して、森に落ち込むようなデッキをつくりたい。
照明は、暖色系の間接照明で足元だけぼんやり照らす。
何も聞こえない静寂な森、漆黒の闇に浮かぶ鎌倉湖の別荘。
セカンドハウスにもいいし、東海道線大船駅までのバスアクセスで、都心通勤もできる。可能性に満ちたこの場所、この空間。
「いろんな国を旅したけれどやっぱり日本がいい。」
そんな感覚を呼び覚ます空間に仕立てたい。
【S】
