未来へ紡いでいく葉山の洋館since1933
このお仕事をさせてもらっていて幸せを感じる瞬間のひとつ。それはこんな素晴らしい物件と出会えたときです。
息を飲む、とはこういうことを言うのか。思わず涙まで出そうでした。
昭和8年から葉山のこの地に建つ美しき館。現在、築84年。
別荘地としての葉山の歴史は明治22年に横須賀線が開通したころに始まります。明治27年に葉山御用邸ができ、その後、昭和初期にかけて多くの著名人や財界人がステータスとしての葉山の別荘を構えていきました。まさしくこの邸宅もその時代に建った建物。
そこから時代の経過とともに、持ち主の代替わりや不動産開発によって古くから建つ別荘も数少なくなり、当時のまま存在し続けてくれている邸宅は希少な存在に。
日本建築に西洋の流れが吹き込まれたような建物。外観、窓、玄関、ダイニング、暖炉のある応接室はまさに洋館かと思えば、和室も縁側もある和洋折衷建築。応接室をはじめとした各部屋には隠しボタンがあって、お客様に気づかれないようさりげなく女中さんを呼べるような、粋な計らいまで施されています。
敷地はおよそ570坪もの土地。開発したら10戸は家が建つであろう広さに、この邸宅と別棟の小屋(決して小屋ではないサイズ)が2棟、そして公園のようなお庭と畑。お庭には4本の桜の木とサルスベリの木。空気の澄む寒い季節には富士山も眺めることができる。春夏秋冬、四季折々を楽しむことのできる豊かさといったら。
取材にお伺いさせて頂いた4月のある日は桜がちょうど開花したころで、「今日はこの庭で友人とお花見するんです」とオーナーさん。この建物と桜を眺めるお花見、最高以外のなにものでもありません。
およそ築30年当時に前オーナーから取得され、その後約50年にわたり、大切にこの家を守ってこられた現オーナーさん一家。建築当時の雰囲気はほぼそのままに残し、大事に大事に守ってきました。屋根を20年近く前に全面葺き替えたり、外壁は10年おきに塗り替えしたりして。
この建物は未来に受け継いでいかなくてはならない。葉山の地に残り続けてほしい。私たちはそのお手伝いができれば本望です。
この想いとともにこの建物を受け継いでくださる方に出会えることを信じて。
*素晴らしすぎる建物の写真、とてもとても載せきれなかったので、お問合せ頂ければお送りいたします。お気軽にお問合せくださいませ。
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