趣深い平屋に住まう 〜山林もご一緒に〜

小坪のちょっと入った山の下にその平屋はあります。新緑生き生きと色づく木々がフェンスを超えて“ここだよ”とアピールしているかのように招き入れてくれました。
雨戸を開けていくと趣のある平屋の全容が。リビングとつながるキッチンの天井には立派な梁。キッチンの上部と横にも換気用なのか明かり取りなのか、窓が設けられ開放的なスペースになっています。このキッチン、いや台所で豪快に料理をしたい。豪快に魚なんぞ捌いてほしい。“このときばかりは旦那を惚れ直す瞬間かもしれない。いつも和室でゴロゴロしているから。でも庭の緑が一望できて、風が抜けて気持ち良いから、つい一緒にゴロゴロしちゃうけどね。”なんて愚痴なのか惚気なのか、微笑ましい小言が聞こえてくるよう。
和室は当たり前に床の間が残されていて、4.5畳の和室は建築当時からであろう格子窓と木雨戸。格子から覗く緑が何とも言えない。さすがにご長寿のため、立て付けはそれなり。だけど毎朝ゴトゴトと音を立てて開ける度に愛でる心が増してくる。家も家族。いつもありがとうと住まい手に大事にされてきた感じが伝わってくるかのような空気感。要所要所を見ていくとやはり古さは感じられるものの、だからこその趣。まだ無限大に可能性を秘めていると思います。手を入れるなら一工夫、二工夫してもっと味を出してほしい。
最後にひとつ。山林付きです。その面積154㎡。どのように使うかはあなた次第。
昭和30年代から大事に大事に住まれてきたこのお家。
新しい主を心待ちしています。
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